シンガポールの英語学習事情

コラム
09 /07 2018
世界の英語学習事情を眺めるコーナー、今回は「シンガポール」に焦点をあてます。

みなさんは、シンガポールにどのようなイメージを持っていますか?
経済の豊かさや街の清潔さを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、シンガポールには「教育熱心な国」としての側面もあります。

たとえば、日本でも、おなじみのTOEFL。
シンガポールのTOEFLスコア(2017年)は、アジアで1位になっています。

また、OECDによる国際学力比較ランキング(15歳時)では世界のトップとなっていて、総合的な学力の高さが伺えます。

そんなシンガポールの英語教育は、一体どのようになっているのでしょうか。


■国の背景
シンガポールの高い英語力を語る上で欠かせないのが、多民族国家としての側面です。
住民は中華系、マレー系、インド系をはじめ、様々な民族で構成されています。

話す言葉も、母語の割合が
  ・中国語   49.9%
  ・英語     32.3%
  ・マレー語  12.2%
  ・タミル語   3.3%
となっています。

多くの学校で、様々な言語を母語とする子どもが共に学んでいるのです。そのような中で、英語は様々な言語を話す人々を「つなげる」役割を担っています。
テレビの放送や公共施設の表示、そして学校の一部の授業は、共通の言語である「英語」で行われます。
社会とのつながりに、日本とは比べ物にならないほど、英語が必要であると言えるでしょう。

■時間数
そんなシンガポールの小学校では、小学1年生のころから英語の授業が頻繁に行われています。日本との比較をしてみましょう。

まず、日本の授業数ですが、2020年に英語教育改革が実施されることにより現在は変則的になっています。あくまで、目安になりますが、実施後(2020年度以降)の小学3、4年生でも年間35単位になっています。(下記参照)
年間35単位というのは、およそ週に1コマという授業数です。

32_スクリーンショット

一方で、シンガポールを見てましょう。
これはシンガポールの学校の小学1年生のスケジュールです。
「英語」の授業だけを抽出しています。

32_シンガポール学校スケジュールA


32_シンガポール学校スケジュールB

学校によってもちろん差はありますが、小学1年生であっても最低週に4時間以上は授業が入っている学校が多いようです。
日本と比べて、社会で生きる上で必要性の高い英語を集中的に学習していることが分かります。

■教育内容
さて、英語の学習内容については、国が策定するシラバスを見てみましょう。このシラバスは定期的に改定されており、最近では2010年に大幅に改定されています。

改定されたシラバスを見てみると、日本の教育改革とも共通する部分が見受けられます。たとえば、21世紀のグローバル化する世界に対応していくため、コミュニケーション能力に重点を置いています。情報化社会の中で、視覚的な情報を理解し、的確に発信する能力も重視されています。

また、6つの学習分野
「聞き取り力(Listening and Viewing)」
「読解力( Reading and Viewing)」
「会話表現力( Speaking and Representing)」
「筆記表現力(Writing and Representing)」
「文法( Grammar)」
「語彙(Vocabulary)」
について、それぞれの学習段階における目標を明確に定めています。

■試験、進路
教育熱心な親が多いシンガポールですが、それは日本以上に格差社会であることとも関係があります。シンガポールでは、大学を卒業した人の平均月収は中等教育を卒業しただけの人の 3倍というデータもあります。

また、小学生のうちから統一的な試験が行われ、能力に応じた選別が行われます。まず小学4年生の終わりにテストが行われ、それにより高学年のときのクラス分けがされます。その後も小学校の卒業時、中等学校卒業時とそれぞれ試験が行われ、以後の進路が自動的に決められます。
大学へ進学できるのは4人に1人程度という狭き門のため、子どもたちは小学生の頃から厳しい競争にさらされていると言えるかもしれません。



以上、シンガポールの英語学習事情を駆け足で見てきました。


英語教育においては、日本よりはるかに高い実績を持つシンガポール。

競争が厳しい(格差が大きい)という側面はあるものの、高い水準の教育制度、国の教育費予算の充実(国庫支出の20%)、多様な人々と日々学び合い切磋琢磨できる環境といった教育環境は世界から評価されており、各国の著名人が子どもの教育のためにシンガポールに移住しているほどです。

日本と多民族国家のシンガポールではそもそも英語の使用頻度などの背景が違うかもしれません。しかし、グローバル化する世界では、日本出身であっても、シンガポール出身であっても、同じ土俵で勝負をすることになります。

英語教育改革で、日本でも英語に触れる時間が伸びるとはいえ、世界との比較では決して十分な時間とは言えません。
子どもたちには、少しでも英語に触れる時間を増やしてあげたいと思います。


中国の子どもはどうやって英語を学習しているか

コラム
05 /22 2018
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英語の必修化が低学年にも広がり、
いよいよすべての子どもが早くから英語を
学ぶ時代に入っていきます。

しかし海外を見渡すと、日本はどちらかというと後発組。

アジアの国々の中には、さらに積極的に英語学習を
おこなっている国があります。

今の子どもは、私たち以上に世界を舞台に
戦わなくてはいけません。

日本だけでなく、世界の英語学習事情を
眺めていきたいと思います。


本日は「中国」に焦点を当てます。

中国の英語教育は一体どのようになっているのでしょうか。


日本では2011年に小学校の英語教育が始まりました。
中国では、それより10年も早い、2001年から
初等教育における英語の学習を始めています。

小学3年生からの学習も
早い時期から取り入れています。


また、求められる勉強量も大きく違います。


日本では、一般的に「中学校卒業」までに
1200語程度を求められます。

中国では、「小学校卒業」までに
約1600語を求めるところもあるそうです。


このようにグローバル人材を育てるべく
英語教育に取り組む中国ですが、
今、ITの技術が急速に進むなか、
英語教育に新たなトレンドの波が来ています。

それは、オンライン教育です。

子ども向けに英語教育サービスを提供する中国の会社に
「VIPKID」というベンチャー企業があります。

中国の子ども20万人と北米のネイティブ英語教師2万人を
オンライン上で1対1でつなぎ、オンライン英会話を実施しています。


「VIPKID」の成長はすさまじく、ある調査会社のリサーチでは、
中国の子ども向けオンライン英語教育の市場規模は
2017年、約470億円と見られていましたが、
VIPKID1社でこの予測を超えてしまいました。

「VIPKID」の2017年の売り上げは
約850億円にもなっています。


なぜ、「VIPKID」はこれだけ
急速に成長しているのでしょうか?


それは海外へ留学する子どもの増加と、
英語教育の低年齢化と考えられています。


中国からアメリカの高等教育機関への留学者数は
過去10年平均年率18%で成長し、
2015年には32万9000人にのぼっています

同じように小学校、中学校のうちから留学をする
子どもも右肩上がりに増加しています。


なんと、アメリカの外国人学生の3分の1は、中国人なのです。

「ネイティブの国で英語を学びたい」

そのような親や子どものニーズとITの普及、
これらの要因が、今中国でオンライン英会話の
市場を爆発的に拡げているのです。


以上、中国の英語学習事情を駆け足で見てきました。


一方で日本の留学生数はというと……

大学院生までの留学生の合計が
2005年に3.9万人だったものが2015年には
1.9万人と2万人も減少しています。


グローバル化の世界では、競争が激化しますが、
同時に世界に羽ばたくチャンスも増えていきます。

子どもたちには英語を好きになってもらい、
積極的に留学するなど、早いうちから
世界を知る経験をしてもらいたいと思います。

えいごプラネット

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